東寺を後にして、駅ビルでランチをとった。
眼下に電車と線路が見える、おばんざいのお店だった。
お店の名前はもう思い出せない。
お料理の写真を何枚か撮った。
彼も撮ったけど、彼に送信してから削除した。
彼の写真はあまりない。
それは仕方のないこと。
昼食を終えると私は無口になった。
お別れが近づいてきてるから。
「次はいつ逢える?」
「○月に逢いたいな~」
そんな話をしていた。
どちらかをホームまで見送ったあとに、帰る?
と思ったけど、それはあまりにも寂しくなるので、
おたがい連絡通路で別れて、別々のホームに行こう。ということになった。
彼は上り。私は下り。
新幹線が到着するギリギリまで一緒にいた。
ホームにつながるエスカレーターの手前でお別れを言った。
ホームにあがると、線路を挟んだ目の前に彼の姿があって、
彼も私に気付いた。
お互い控えめに手を振ったかと思うと、彼の方のホームに新幹線が滑り込んできた。
あぁ、本当にお別れだ。
寂しい。切ない。愛しい。
そんな感情を抱いている内に、再び新幹線は滑り出し、
その後に、彼の姿はなかった。
待ってる人がいる。
帰る場所がある。
それはお互い同じコト。
だけど・・・。
これから何度、こんな想いを抱くのだろうか